この暴君、恋すると手に負えません


「私が説明してやる。当初、誉様のシナリオを食い止める目的で光希様は誉様と手を組んだ。そして帝様とお前が密かに会っていることを知った誉様は、必ず邪魔をすると分かっていた。だから光希様は誉様の指示でお前をここに連れ去ったんだ。
虹美を誘拐し、5億と引き換えにもう二度と帝様の前に現れるなと脅してくる事を予想していたからな。だがここで予想外の出来事が生じてしまった」
「……予想外の出来事?」


すると円華さんは、冷や汗をかきながら苦笑している光希さんを鋭い目つきで睨みつける。


「光希様が裏切ったんだ。本来ならば、この事を帝様に伝えて共に助けに行く筈だったのだが、そのまま帝様に何も知らせずにいたんだ」
「だって誉さんは僕のシナリオに気づいて交換条件だしてきたから、つい……」
「交換条件って?」

私は不思議そうに尋ねると、隣で呆れたように笑いながら帝さんが呟く。

「どうせ桐生を東堂家に戻す代わりに、誉のシナリオ通りに従えとかそんなところだろうが」
「……え?光希様、本当ですか?」

円華さんは帝様の言葉に目を丸くし、光希さんを見つめた。すると光希さんは困った顔をして頰を掻きながら首を縦に動かした。


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