この暴君、恋すると手に負えません


そう、光希さんが投げつけたものは車の鍵だったのだ。


「……虹美、もう誰にも俺たちの邪魔はさせない。だから戻ってこい、俺の元に」
「……で、でも。明日の挙式はどうするんですか?」
「明日になれば分かる事だ。疲れただろ?このまま家まで送ってやる」


--嫌だ。
もっと帝さんと一緒にいたい。


そして私はあの時、南くんに言われた言葉を思い出す。


"女の人はね、赤いリップをつけると不思議と自分に自信が持てるの"


今日、私が赤いリップをつけたのは確かに自信が持てるからだったのかもしれない。だからだろうか、私は帝さんの首に腕を絡めて抱きついた。


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