この暴君、恋すると手に負えません
暫くすると帝さんはとある場所の前に車を止めた。
其処はとある丘の上にある白亜の教会だった。辺りが真っ暗なのもあり、柔らかな光がもれて幻想的な美しさを感じてしまう。
「……お前も来るんだ」
「あ、はい」
帝さんが教会に訪れた理由は未だに分からないまま、私は言われるがままに帝さんの後について歩いて行く。
そして帝さんが扉を開けると、万華鏡のように美しい光を放つすり硝子に目を奪われた。大きなパイプオルガンもあり、実物を見るのは初めてだった私は不思議とワクワクしていた。
すると帝さんはそのまま中へと入って行き、私は戸惑いながら扉に立ち尽くしたまま問い掛ける。
「勝手に入っていいんですか?」
「あぁ、ここは教会にしては珍しく夜間も開いているから自由に出入りしていいんだ」
「……そ、そうなんですね」
その言葉を聞くと静かに安堵の息を洩らす。そしてそのままあの眩い輝きを放つすり硝子を近くで見ようと、私も足を踏み出した。