この暴君、恋すると手に負えません
「私にはずっと叶えたい夢がありました。
誰もが羨むほどの美貌を持つ女性になって、女性の美しさを輝かせてくれるジュエリーの会社を立ち上げたいと。その夢に向かって私はまず医者に自分を診断して頂くことから始めました。”性同一性障害”という言葉は誰もが聞いたことはあるとは思います。
ですが私と同じ気持ちを理解できる人にとっては、その言葉すら受け入れるのも躊躇してしまう事なのですが、どうしても改名をしたかったのです。女性らしい名前になりたかった。でも、その為には医師からの診断書がどうしても必要だったのです。
そして私は神楽坂玲央(かぐらざかれお)から神楽坂玲奈に改名し、性別適合手術を行い、”自分が望む自分”を手に入れることができました。女性ホルモンの投与は今でも定期的に続けていますが、私は今の自分で生きていることがとても幸せです」
玲奈さんの知られざる過去が次第に解かされていくと、私はなんともいえない気持ちになってしまう。
私ならそんな自分の過去をこんな大勢の前で伝える事なんてできない。
けど彼女は強い意志を持って一度も俯かずに、真っ直ぐ前を向いて堂々としている。
その強さがより彼女の美しさを引き立たせているように私には見えた。