この暴君、恋すると手に負えません


「そして彼の父は彼女の意思を確かめるためにある行動を実行したのです。
世界に名を轟かせる大企業のひとつである朱鳳家に、一般の女性が一員になるということは安易なことではありません。なのでどんな逆境にも共に立ち向かっていける事を証明して欲しいという思いも込めて、二人にさまざまな試練を与えたそうです。

そして共に数々の試練を乗り越えていき、二人の揺るがない愛に誉前社長は心を打たれたようです。彼女なら朱鳳帝の妻として支えていけると。私も先程伺ったばかりで驚いてはおりますが、無事に彼らの婚約が正式に認められて安堵しております。

そしてふたつめの理由ではありますが、それは彼からお伝え致します」



――今まで誉さんのシナリオの全ては私を離れさせようとしていたんじゃなかったんだ。



……ってちょっと待って!?
正式に婚約が決まったってどういう事なの!?


何も知らされていない私は、その衝撃的な真実に唖然としていた。すると玲奈さんは深々と頭を下げて隣にいる帝さんにマイクを手渡していた。


帝さんはマイクを受け取るなり、その場に立ち上がってちらりと此方を見る。


すると私の隣で様子を見守っていた円華さんが小さく頷き、突然私の背中を強く押したのだ。


「えっ、ちょっ!?」


私はその勢いでステージ上に飛び出してしまい、一瞬にして眩いフラッシュを浴びてしまった。

そして私の登場を待っていたかのように、帝さんはマイクを握り締めて話し始めた。

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