この暴君、恋すると手に負えません
「問題ない。この俺の気持ちは変わらないからな」
すると男性記者は帝さんを指差しながら、怒り任せに感情的な言葉を投げかける。
「朱鳳帝!!面白おかしく記事を書いて俺らマスコミの力でお前の人生を狂わせる事もできるんだぞ!?」
「……寝言は寝て言え。お前らなんかに俺の人生を狂わせる事なんて不可能だ。それとも先にお前らの全員の人生を狂わせてもいいが、どうする?」
すると男性記者はその圧倒的な権力の前には太刀打ちできず、そのまま悔しげに黙り込んでしまう。周りの報道陣も帝さんに恐れをなしたのか、一瞬にして静まり返っていた。
そして突然何の前触れもなく、照明が消え真っ暗闇に包まれる。
「……こっちだ、虹美」
「……み、帝さん?」
帝さんは私の手を握り締めると、暗闇の中、足元を薄っすら照らす蛍光灯の明かりを頼りにステージの中央へ足を運んだ。
一時は静まり返った会場も、突然の事態に動揺が隠せず再び響めき始めていた。