この暴君、恋すると手に負えません
「…….何だ!?照明が消えたぞ!?」
「これじゃますます会見どころじゃないか!! 」
そして帝さんがステージの中央で立ち止まった瞬間、其処にはいつのまにか玲奈さんが立っていた。
「……帝、準備は整ったみたいよ?」
「あぁ、分かった。これ持って離れて見守っててくれ」
「うん、気をつけてね」
二人の会話についていけない私は不思議そうな顔をしてそのやりとりを聞いていた。玲奈さんは帝さんからマイクをうけとると、そのまま小走りでステージ裏へと姿を消していった。
「行くぞ、虹美」
「え、どこに……?」
そして帝さんが片腕を頭上に伸ばし、あの時の同じように指を弾く音を響かせた。
ぱちんっ
その音が鳴り響いた瞬間、真っ暗闇に包まれた会場に一気に眩い光が去り込んだ。それと同時に聞き慣れたヘリの音と強い風圧が会場中を巻き込む。
「……なっ、何ですか?これは……っ」
突然ゆっくり開いていく天井を見上げながら、私は驚きが隠せず目を丸くした。