この暴君、恋すると手に負えません
一体、私は何処に連れて行かれているのだろうか。
ヘリの中で大人しくしていたがやはり気になってしまう。
不意に窓の外を見ると見覚えのある光景に目を丸くする。
「……帝さん、ここは……?」
「あぁ、目的地に到着したようだ」
そう、私たちのヘリは昨晩訪れた教会付近の上空にいたのだ。
そして近くにHと書かれたマークを見つけると、その位置に停止するように徐々に地上へと近づいていく。
ヘリが無事に着陸すると、扉が開かれ悪戯に冷たい風が舞い込んできた。
「帝様、着陸致しました」
「あぁ、後は頼んだぞ」
「かしこまりました」
「おい、虹美。行くぞ」
「……は、はい」
こうなればもう彼に導かれるがままに動くしか私には選択肢がない。
私は強引に腕をつかまれると、そのまま私を導くように歩き出した。
強引なわりに、帝さんはいつも私の歩調にさり気なく合わせてくれる。
不意にそんな瞬間を見るなり、胸が高鳴ってしまう。