この暴君、恋すると手に負えません


「……今日はちゃんとつけてんだな」
「え?何がですか?」

歩いている最中、突然帝さんが意味深に呟いた。
すると繋がれた手を見せつけながら悪戯な笑みを浮かべる。



「指輪」



そう、繋がれた私の左手の薬指には帝さんから貰ったレインボーローズの指輪が輝いていた。
以前は確かに恥ずかしいのもあって人前ではつけれずにいた私の大切な指輪。


「前は一人でこっそりつけてニヤけてたんだろ?」
「……ニヤけてはないですから!!」
「はは、どうだかな?」


相変わらず帝さんにペースを崩されっぱなしの私だが、そんなやりとりすらも嬉しかった。


気づいたら私たちは丘を越えて、あの白亜の美しい教会の門前に辿り着く。
門を開けて中へと進んでいくと、昨日の夜と少し違った雰囲気に私は立ち止まってしまった。



「……み、帝さん?これって……っ!?」



――その時、私は目の前に広がる光景に目を疑った。



< 373 / 409 >

この作品をシェア

pagetop