この暴君、恋すると手に負えません
「どんな時もお前の存在が俺の力になる。お前となら例えどんな困難な壁があろうが乗り越えていける。何せこの俺が一目で選んだ女だからな」
「……帝さん」
すると帝さんは私の腰に腕を回し抱き寄せながら、片頬を包み込んで真っ直ぐに見つめる。
二人の距離が縮まるほど、私の胸の高鳴りはおさまることがなかった。
「虹美、これからも俺の傍にいてくれるか?」
「……それは命令ですか?」
「いや、もう契約は解約しただろうが。お前の素直な気持ちを聞かせてくれ」
私が照れ紛れに茶化すと可笑しそうに笑いながら帝さんは呟く。
――私の素直な気持ち。
最初の出会いは最悪だと思った。
何でこんな王様みたいに威張り散らした暴君と変な契約させられるんだって思った。
人の意見も気がないで我が道を迷いなく突き進むこの男が、最初は大嫌いだったのにな。
いつからかな。
こんなに一緒にいたいって思えるほど好きになったのは――……。