この暴君、恋すると手に負えません
「おぉ!!これが新型VRか!?」
「朱鳳家の長男もなかなか楽しませてくれるじゃないか!!」
会場中の参加者全員の手元のテーブルには、一人ずつ新型VRが用意されていた。
皆はVRを手に取るなり、まるで新しいおもちゃを手にした子どものように騒いでいる。
すると薄暗いステージ裏に誰かが歩み寄ってくる音がした。私が後ろを振り返ろうとしたが、その人物の顔を見ることが出来なかった。
何故ならば――……。
「我々だけでは作り上げることが出来なかった、この素晴らしきVRを手がけた人物を今宵紹介させて頂きます。ではステージに――……っ」
ーーその時、また会場の照明が突然消えたのだ。
それも演出かと思って暴君を見つめたが、あきらかに動揺した表情を浮かべている。
もしかしてこれってーー......!!