この暴君、恋すると手に負えません
「帝さんっ!!」
私は嫌な予感がして慌てて暴君の元へ駆け寄った。
するとその時、暴君の頭上にあるスポットライトが突然落下したのだ。私はあの時と同じように暴君を奥へ押し込むように飛び込んだ。
パリンッ!!
間一髪で避けれたものの、割れたスポットライトの破片が飛び散り私の頬に線を描く。私は手の甲で滲む血を拭い、上を見上げたが其処には誰もいなかった。
私に押し倒されて下敷きになった暴君は、はっとした顔をして私を見上げていた。
「......っ、虹美?」
「帝さんこそご無事ですか!?」
「あ、あぁ。俺は大丈夫だ」
すると私の頰から滲んだ血に気づいた暴君は大きく目を見開いた。
「......お前、また怪我してんじゃねぇか」
「破片で切れただけなんで平気です」
「んなわけねぇだろ?.....ちょっと動くなよ?」
私の腰に腕を回した暴君は、ゆっくり上半身を起こした。そして私の頰の傷を見つめるなり、そのまま唇を押し当て血を吸い取る。ちゅっと、耳元の近くでその音が響くと一気に体が熱くなるのを感じた。