この暴君、恋すると手に負えません
「どうやらコードが古びていて、照明を動かした時に擦れて落下してしまったようですね」
ーーえ?
明らかに意図的に切られた後があるのに?
私は桐生さんの言動に違和感を覚えた。すると暴君は避けた衝撃で落ちたイヤホンマイクを手に取った。
「よりによってこんな時に落下するなんて。ホテル側の管理はどうなってるんだ全く......」
「私はホテルの責任者にこの件を話してきます、先程、緊急時の自動発電装置を作動させましたので、照明も間も無く復旧すると思います」
「わかった。桐生、頼んだぞ。それとEviの開発者はまだ来ないのか?見当たらないが」
「会場にはいらっしゃってるようですが、お手洗いにでも行かれてるのかもしれません。探して参ります」
「早急に探し出せ。その間に俺がこの場を繋いでおく」
「御意」
そして暴君が暗闇の中、混乱している会場を落ち着かせようとマイク越しで話し始めた。