この暴君、恋すると手に負えません
「いやぁ、でも虹美さんの顔を見た時は正直驚きましたよ」
「え?」
「だって虹美さんはーー......「おい、光希。そろそろ始めてくれ」
その時、光希さんの言葉を遮るように暴君が呟いた。光希さんは了解と言いながら片手を上げて合図している。
ーー今、何を言いかけたんだろう。
すると暴君は会場を見渡してから、VRのシュミレーションの説明を始めた。
「それでは皆様、只今より体験版シュミレーションとして『トレジャータワー』の冒険をお楽しみください。
今、皆さんの目に見えている巨大な塔にはさまざまな試練が用意されております。その塔の頂上には宝箱があり、それを最初に開いた方にはもれなく素敵な贈り物を贈呈致します。
そして皆様はそのまま座って頂いて構いません。新型VRは皆様の脳波に連動しており、自ら動かずともまるで自分がゲームの中に入っているような感覚で、その世界観を楽しめるようになっております。
そして皆様の脳波から伝わる映像全てを、Eviが携帯やパソコンにデータを自動的に送り、自分以外の世界観も楽しめるよう作られております。我々は皆様の脳波から映る映像をランダムに見守っておりますので、どうぞ思う増分お楽しみくださいませ」