Lie × Lie 〜 アルメリア城恋物語 〜
オニクスとシルヴィは、喧嘩はしない。
最初に会ったとき、二匹はじーっと見つめあっていたけれど、
それ以後はお互いに無視するような態度だ。
それでいて、バチバチに意識しあっている。
くいくいとオニクスがグレイの服の裾をひっぱり、楡の木を見あげる。
「なんだ、登りたいのか?」
グレイが頷くと、オニクスはたったったと軽く走り、高くとんで枝に
とびのった。
そして、シルヴィを見おろす。
当然、シルヴィはうけて立つ!
ミュアが頷くと、たたたっと駆けだし、オニクスとは反対の枝に
シルヴィもとびのる。
「まったくシルヴィは負けず嫌いだな。王妃そっくりだ」
「まあ、オニクスだって陛下そっくりですわ。
人を小馬鹿にしたあの態度とか」
「能力のある者の自然な態度だ」
「だとしても、見せつけるなんて心が狭いんだわ」