Lie × Lie 〜 アルメリア城恋物語 〜

 少しだらしないと思ったけれど、ミュアはソファに横になり
 目を閉じた。

 今飲んだリキュール入りの紅茶がじんわりと身体にしみて、
 グレイが突然出ていってしまったショックを和らげてくれる。
 

   怒ったようではなかったのに、どうしたんだろう。
   なにか言おうとしてたんじゃないかしら。
   ああ、もう考えるのはやめよう、考え続けて頭が痛く
   なったんだもの。
   せっかく少し気持ちが落ち着いたのに、また痛みが
   ぶりかえすかもしれない。
 
   グレイとここで一緒にいる時間がなにより大切なのに、
   私ったらなんてことしちゃったんだろう…… 。


 
 反省し深く身を沈めたとき、キィとドアが開く音がして、
 薄く目を開けるとグレイがこちらに歩いてくるところで、
 ミュアは、はっと身体をおこした。


   
    「グレイ! ごめんなさい! 本当に
     勝手に絵を見て、ごめ…… 」



 言葉は途中で止まってしまった。

 急に起き上がったせいで頭がくらりとし、言葉をのみこんで
 ミュアは頭をおさえた。

 ソファのそばまで歩いてきたグレイが、
 ” 横になっていたほうがいい ” と、ミュアの身体を
 ソファに戻してくれる。


   
    「怒ってないの?」



 グレイが頷く。

 彼の表情はさっきより落ち着いている。

 安心感とともになんだかひどく疲れをおぼえて、
 ミュアはクッションに頭を押しつけた。

   

    「頭痛がして、リキュール入りの紅茶を飲んだの」



 すこし甘えた口調になってそう言うと、労(いた)わるように
 グレイが頭を撫でてくれ、気持ちよさに、
 ミュアは目を閉じ身体の力をぬく。









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