Lie × Lie 〜 アルメリア城恋物語 〜
王妃???? 思ってもみなかった言葉に?マークが、並ぶ。
「変って、体調がよくないとか、そういうことか」
「ちがう」
「じゃあ、なんだよ」
「……」
「おい、王妃の状態(コンディション)は、ターラントとの国交にも
つながることだぞ。
だから、ちゃんと言え」
トラビスの言葉にグレイはぱっと顔をあげ、早口でしゃべり始めた。
「変におとなしい。
前はなにかしら話しかけてきて、適当にあしらうと納得するまで
食い下がるか、 ないがしろにされて怒るかだったのに、
最近はなにも言わないし、反応しない。
それで……」
「それで?」
「……俺を、避ける」
言い切って、グレイはぷいっと横を向いた。
トラビスは呆気にとられた。
おい、こんなグレイは見たことないぞ ー ー、
なんだ?このえらく初心(うぶ)な態度は!
「ふうん、嫌われたってことか、まあ、そりゃ、しょうがないよな、
お前のあの態度じゃな。」
どこかが痛んだようにグレイは顔をしかめた。
今度は口が重くなったグレイからなんとか聞きだしたところ、見るからに
態度が変わったのは、ミュアがトラビスを訪ねてきた日かららしい。
その前の晩になにがあったのかは絶対に口を割らなかったが、
心当たりがあるとすればそれだろうと、グレイは言った。
いや、しかし……、と、トラビスは首をかしげる。