大切なものを選ぶこと


「減らねえ…」




「たしかに…」



3人がかりで食べてはいるけど全く減らない。


やはり量が多すぎる…。



ベビーカステラは全部なくなってるけど…





「「弘じじい!!」」




ちょうどいいところで聞き覚えのある可愛い声が重なった。



その声を聴いて弘翔の眉間に盛大に皺が寄ったけど。




「じじいって呼ぶなっていつも言ってんだろ!」



本気で嫌そうな顔で言う弘翔だけど、『大雅、凌雅~食べろ食べろ』と夏樹さんの緩い声のせいで双子くんたちは全く聞いていない。



テンション高めに焼きそばを頬張りだした。



二人ともお揃いの甚平を着ていてとっても可愛い。



ちょっとガチめに落ち込んでいる弘翔には軽くフォローを入れておいた。



さっきの男たちに『おっさん』って言われたのもかなり気にしていたみたいだし。



可愛い系とか王子様系の顔立ちではなくて、雄感の強い少しワイルドな感じの男前だから年齢より若く見えるわけではないけれど、年齢以上に老けて見えるわけでもない。


年相応。
まぁ…年齢以上の貫禄が垣間見えることは多々あるけど…。



だから、弘翔は割と本気で気にしているみたいだけど、さっきの男たちは語彙力が乏しいせいで自分より年上の弘翔のことをそれでしか貶めることができなかっただけだと思う。


大雅君たちに関しては、完全に桜さんの悪ノリだと思うし…。





「遥輝さん!さっきはありがとうございました!」



蘭ちゃんを抱きながら現れた遥輝さんと桜さん。



二人は浴衣ではないけれど相変わらず絵になる美男美女ぶりだ。




「美紅ちゃん似合ってるー!さっすが私のハル君!」




「なんでお前がドヤ顔してんだよ…」




「うるさいわね弘。誰のおかげで美紅ちゃんがこんな可愛くなってると思ってんの!」




「遥輝さんと聖弥さんだろ」




「私がハル君にお願いしたからに決まってるでしょ!私のおかげ!あー美紅ちゃん、いつも可愛いけど今日は一段と可愛い!!」




「あっありがとうございます!」




弘翔と桜さんの掛け合いは相変わらずだ。



遥輝さんは苦笑いを浮かべている。




「今来たんですか?」




「うん、ちょうどさっき着いたところだよ。今年は例年より人が多くて思ったより時間が掛かっちゃったけどね」




私と遥輝さんがそんな会話をしている横で…



「弘ー!私の分の飲み物買って来てー」




「自分で行けよ!」



とテンポのいい掛け合いが続いている。



夏樹さんと双子くんたちも仲が良いみたいで戦いごっこが始まってるし…




カオスだ。



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