大切なものを選ぶこと
「大雅、凌雅、食べるか遊ぶかどっちかにしろ」
遥輝さんに声を掛けられた二人は食べる方をとったらしい。
夏樹さんは『あらら、フラれちゃった~』とさして残念そうでもない顔で笑っている。
「ご無沙汰しています夏樹さん」
「久しぶりだね遥輝君。子供はちょっと見ないうちに大きくなるね~」
「元気過ぎて大変ですよ。夏樹さんもそろそろ身を固めた方が良いんじゃないですか?子供大好きなんですし」
「遥輝く~ん、それは言わないでって毎回言ってるじゃない」
「夏樹さんっておいくつなんでしたっけ??」
「あれ美紅ちゃん知らなかった?35だよ」
あ、そうだった。
初めて会った時に言っていたような気がする。
双子くんたちとノリノリで遊んでたし、夏樹さん子供好きなんだ。
まぁでも、この絶妙な緩さとか、少しお兄ちゃん気質なところとか、優しくて面白い親戚のお兄さんって感じ。
「結婚しないんですか??」
「美紅ちゃんまでそういうこと言っちゃう!?勘弁してよ遥輝君のせいだからね」
「いやいや俺はただ早く結婚して子供作れってアドバイスしただけですよ」
「それよそれ、それ言われると結婚の話の流れになっちゃうじゃん!」
「いや…私は、夏樹さんモテそうなのに意外だなぁ…って思って…」
「いい子過ぎるわ~美紅ちゃん。俺と付き合ってみる?」
「夏樹」
「おっと冗談だよ弘。そんな怖い顔してくださんなって」
ふと横を見ると本当に弘翔が不機嫌な表情をしていた。
揶揄っていたらしい夏樹さんは愉快そうに笑ってる…。
「飲み物買ってくるけど桜は?」
「お茶ー」
「「オレンジジュース!!」」
「はいはい。美紅ちゃんと弘は?」
「俺も一緒に行きますよ。美紅、ちょっと待っててくれ」
「はーい。あ、弘翔、私にもお茶買って来て」
「ん、了解」
「ハル君、私ベビーカステラ食べたいから純さんの所も寄ってきて!」
「はいよ」
カオスな状況だったけど、遥輝さんと弘翔が買い出しに行ってくれることになりひとまず落ち着いた。
お好み焼きにたこ焼き、焼き鳥にりんご飴まで堪能した双子くんたちは再び夏樹さんと遊びだした。
人の行き来が激しい本部のテント内だけどここの一角だけは一般の人たちが全く入ってこない。
運営のほとんどを秋庭が担っていると弘翔が言っていたけど…お祭りってどこもこんな感じなのだろうか…。