大切なものを選ぶこと
「「「「かんぱ~い!」」」」
男性陣の威勢のいい掛け声と共に私の人生初の合コンは始まった。
場所は、大衆居酒屋やTHE大学生向き!って感じの安い飲み屋ではなく、完全個室のオシャレな店だ。
男性側の幹事が手配してくれたらしい。
──「じゃあまずは俺たちから自己紹介ってことで~!」
合コンという場に慣れていないのは私だけらしく、三人とも楽しんでいる様子だ。
幹事さんの一言で男性陣が自己紹介を始めた。
男性陣は4人ともW大生で、4人とも法学部…つまり、エリートさんたちだった。
しかも…
「俺とコイツは読モやってまーす!」
4人ともかなりのイケメン…。
あ、でも秋庭さんの方が32倍くらい男前だけど…
というか…秋庭さんとか、高巳とか、夏樹さんとか、秋庭さんとか、秋庭さんとか…最近反則級のイケメンに囲まれすぎてて、この人たちがカッコいいと思えなくなってる…。
末期だこれは…。
と、私が一人で脳内でブツクサやっている間に私の自己紹介の順番が来てしまったらしい。
「えーっと、横手美紅っていいます。彼氏がいるので…楽しく飲めれば嬉しいです!」
「はーい!あたしも彼氏がいるんで、あたしと美紅は狙わないでくださいね~!」
「美紅ちゃんも由美子ちゃんも彼氏いんのかぁ!俺、美紅ちゃんめっちゃタイプなんだけど!!」
「ちょっとぉ!それって私と真希に魅力がないってことですか!?」
「いやいや、そういうわけじゃないよ!加奈ちゃんもめっちゃ可愛い!」
「てか、4人ともめっちゃ可愛い!俺ちょっとガチで頑張っちゃうからねー」
そんなこんなで、いい雰囲気で合コンはスタートした。
最初は近くの男の人と他愛もない話をしながらご飯を食べ、お酒に弱い私はなるべくグラスを空けないようにちびちびと飲んでいた。
が、お酒がいい感じで回ってきた人たちにそれが通用するわけもなく…
「ほら美紅ちゃん!全然飲んでないじゃん、つぎ何飲む!?」
言葉巧みに言われ、結局は私も人並みに飲んでしまった。