王太子の揺るぎなき独占愛
即位式で着る濃いブルーの軍服は、レオンの目の色に近く、きっと似合うだろうと、サヤは出来上がりを楽しみにしている。
当日サヤが着るドレスはレオンの軍服と同じブルーの落ち着いたドレスに仕上がるらしい。
ウェディングドレスも同時に決まったのだが、最高級のシルクがふんだんに使われた豪華なドレスだと聞き、サヤはそれほど高価なものが自分に似合うのだろうかとドキドキしている。
「あの、殿下の軍服が、なにか?」
ジュリアが突然軍服の話を始めた理由がわからず、サヤは戸惑った。
「軍服の袖の裏地に刺繍をすること、聞いてる?」
「刺繍、ですか? そういえば、刺繍のことは聞いたような気がしますが」
サヤの戸惑った声に、ジュリアは顔をしかめた。
「あー、やっぱり? 忙しくて伝えるのを忘れていたか、それとも言わなくてもサヤなら簡単にできちゃうってみんな思ってるのかも」
心配げなジュリアに、サヤも不安になってくる。
「簡単って、あの、もしかして刺繍ですか?」
まさかと思いながら聞いてみれば、ジュリアは小さくため息をついた。
「そう。サヤがお兄様の軍服に刺繍をするのよ」
「私が……私が? え、できません。無理です」
ひどく驚いたサヤは、思わず大きな声を上げ、後ずさった。
「……予想通りの反応、ありがとう」
サヤのあまりの驚きように、ジュリアはクスクス笑った。