王太子の揺るぎなき独占愛
「そうね、レオンならサヤを守ってくれるし支えてくれるわ。おまけに一途であきらめることを知らないから周りは大変なんだけど」
そこでふと口を閉じたシオンは、クスクスと笑いだした。
「これから大変なのは、ほかの誰でもない、サヤだわ」
いつの間にか大きくなった笑い声が温室に響き、サヤは居心地が悪くなった。
そして、自分はレオンにほしがってもらえているのだろうかと悩む。
普段ならそんなことはありえないと、自分に都合のいい考えはおしやるのだが、シオンの朗らかな笑い声が、サヤを励まし強くする。
「私……大変でも、幸せ、です」
ようやく口にした思いは、サヤの本心だ。
「いつになったら私が王妃として認められるのかわかりませんし、そんな日はこないかもしれませんが、今、とても幸せです。レオン殿下に大切にされているのがわかるので、幸せです」
サヤはたどたどしい口調で話すと、シオンを見つめ、コクンとうなずいた。
「レオン殿下の妃に、なれることも、幸せに思っています」
決して楽しいことばかりではないとわかってるが、レオンが自分以外の女性と幸せや苦労を分かち合うことなど考えられない。
「なにもかも、それこそ苦しみも、レオン殿下の傍で受け止めたいのです」
サヤは吹っ切れた表情で笑った。
王妃に内定し、レオンとの距離が近づくに比例して自分は王妃にふさわしくないという思いが大きくなっていた。
自分自身の不甲斐なさだけでなく、なにもかもが完璧なイザベラの存在もサヤの心に大きな影を落としている。
逃げ出したいと思わなかったと言えば嘘になるが、どれだけ悩んでもたどり着く答えはひとつだ。
レオンとともに生きていきたい。
単純明快なその思いに素直に従えば、意外にも力がわいてくる。