王太子の揺るぎなき独占愛




「そうだな。ラスペードの王族との会食が続いたが、会食という名の神経質な打ち合わせだからな。外交には自信があるが、結構骨が折れた。おかげで食事を楽しむどころじゃなかったんだ」
「それは大変でしたね」
「いや、慣れてるから大丈夫だ」
「そんな不摂生を続けていては国王の重責を背負うことはできません。ちゃんと食べてくださいませ。それと、滋養効果のある薬草を煎じてお持ちしますので、お飲みください」
「うっ……それは」

 サヤの口から薬草という言葉を聞いて、レオンは顔をしかめた。
 薬草の効能はわかっているが、やはり口にしたいと思える味ではない。

「熱もないし、元気だから薬草は、いい。必要ない」 
 
 手を目の前で何度も振り、薬草を拒否するレオンに、サヤは苦笑した。 
 
「今の殿下は城下の子どもたちにそっくりです。熱があるのにお薬を飲むのを嫌がって逃げ回るんです」
「子ども……」
「はい。逃げ回る子どもを捕まえても、お薬を飲みたくなくて私に抱きついて顔を向けてくれないんです。それはもう強い力で抱きついて離れなくて……大変なんですけど……え? 殿下? どうされまし……た?」




 



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