王太子の揺るぎなき独占愛
「王太子命令だ。今からずっと、このネックレスを身に着けていろ」
口調は厳しいが、その顔には笑顔が浮かんでいる。
サヤは思わずこくりとうなずいた。
ひと目見て、エメラルドの輝きに惹かれていただけでなく、レオンが用意してくれた特別なものだ。
本当は、身につけたくてたまらなかったのだ。
レオンはサヤの反応に気をよくし、うれしそうにネックレスをサヤの首にかけた。
「やっぱり、よく似合う」
レオンは、一歩下がり、サヤの胸元で光るエメラルドを満足そうに眺めた。
赤いマントに緑がくっきりと浮かび、エメラルド自らがその存在感を主張しているようだ。
「あ、あの……ありがとうございます」
サヤはマントに負けないほど頬を赤くし頭を下げた。そのたびにエメラルドが揺れて、いっそう輝く。
「で、ですが、普段は胸の中にしまっておいてもいいでしょうか……」
見せびらかすようにネックレスをつけることに抵抗があり、できることなら服の中にしまっておきたいのだ。
「ああ、しまっていいが、ずっと身に着けていろよ」
「はい、ありがとうございます」
サヤは胸元のエメラルドをそっと手に取り、その重みを感じながらため息をついた。
自分が王妃にふさわしいのかどうか、まだまだ自信はないが、少なくともレオンは自分を受け入れてくれた。
じわじわと喜びが胸に溢れる。
「それと」
エメラルドから目が離せないサヤに、レオンは真面目な表情で言葉を続けた。
「もう、俺に背を向けて立ち去るようなことはやめろ。俺がどんな状況であっても、俺の隣にいて笑ってろ。王家で苦労することは多いだろうが、俺が守るし、幸せにする。だから、今日みたいに結婚が嫌で家を飛び出すようなことはやめてくれ」
「あ。どうしてそのことを……」