王太子の揺るぎなき独占愛
「少しやせたか?」
レオンはサヤを抱き寄せ、そっと背中に手を這わせた。
もともと引き締まっていた体がいっそう細くなっているとわかり、レオンは眉を寄せた。
ふたりが婚約してからというもの、レオンは当然のようにサヤの体に触れるようになった。
王城でふたりきりになれば、レオンは自然にサヤを抱き寄せ、キスを落とす。
初めてのときは驚きのあまり呼吸も忘れたサヤだったが、何度かかわすうちに、抵抗することもなくなり、自然に応えるようになった。
子どものころから広い森を動き回っていたサヤの体は引き締まっていて、どちらかといえば女性らしい柔らかさには欠けている。
それが彼女の悩みでもあるのだが、レオンの逞しい体に比べれば優しい線を帯びた体は十分女性らしい。
「食事をとる時間もないのか? 王妃教育なんて、王妃になってからでも間に合うんだ。ペースを落とすようにジークに言ってもいいんだぞ」
レオンはサヤを腕の中におさめると、彼女の頭に顎をのせた。
「いえ、大丈夫です。ジークさんも気づかってくださるのですが、予定通り進めていただくようにお伝えしているんです」
「だが、体を壊しては王妃どころではないぞ」
「ですが、私は何も身についていなくて、このままでは必ず殿下に迷惑をかけてしまいます。それに、先生方も一生懸命教えてくださるので、私も頑張らないと」