永遠の愛を(番外編も完結)
だけど岡田君の家に行ったあの日から、彼は私に手を出すことはなかった。

こうして校内で二人きりになっても、ただたわいもない話をするだけ。

正直、意外だったけど私としては何かをされるよりもされない方がいいので助かってはいる。

だけど、岡田君は私といて楽しいのだろうか…とも思う。

気の利いた話題を振ることもできない、こんな私と。

だから、この日もそうだと思い込んでいた。

完全に油断をしていたのだ。

図書室の奥隅でいくら人気がないとは言え、同じ室内には沢山の生徒がいたから。

「あ…」

何もないところで足が躓き、体が前につんのめりそうになったのを何とかこらえた。

窓から外を見ていた岡田君が「どうかした?」とこっちを振り返った時、彼の瞳が一瞬だけ私の後ろに向けられた気がした。
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