永遠の愛を(番外編も完結)
「…ありがとうございます。」
カップを受け取る際、彼の指に触れてしまった指先がじんわりと熱くなるのを感じた。
平静を装ってはいたけれど、平常心を保ててはいなかった。
動揺を悟られないよう手にしたそれに口をつけると、優しい甘さが乾いた喉を潤し、心にまで染み渡っていくようだった。
「どう、少しは落ち着いた?」
「あー…はい」
とりあえずそう答えたけれど。
本当はその優しい眼差しに、落ち付きを取り戻そうとしていた心がまた一層激しい音を立て始める。
「ゆっくりでいいよ。」
そう言って私の頭に手を乗せた彼。
「俺たちはお互いに間違えてきたけど、人は何度だってやり直せる。それに、変わりたいと思ったその瞬間から、その人はもう既に変わり始めてるんだ。美麻も俺も…。だから、お前も逃げずに向き合ってほしい、俺と。」