永遠の愛を(番外編も完結)
住んでいた家まではさすがに見えなかったけど、家のある方角に視線を向けたまましばらくその景色を眺めていると、背後からお見舞いに来ていた人か、それとも病院で働く職員なのか若い女性数人の話し声が聞こえてきた。

挨拶を交わした彼女達は、それぞれの車に乗り込み連なるように駐車場から出て行った。

私もそろそろ戻ろった方がいいかとスマホを取り出し時間を確認する。

慶斗さんはまだICUの中だろう。

何の通知も来ていないスマホをもう一度バックに仕舞うと、私は建物の方へ足を向けた。

そしてコンビニでお茶とコーヒーに、おにぎりも買った。

慶斗さんはお腹も空いているかもしれない。

時間も時間だったので、売れ残りのようにぽつんと置かれていたのは梅干しと昆布のおにぎりのみだったけど、それでも少しはお腹の足しにはなるだろう。

そう思いながらその2つを手に取り、カゴに入れた。
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