【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う

「あの……ごめんなさい、変なこと言ってしまって……」

「いや、いいよ。俺も全然説明してあげてないし。藤堂もたくさん選んでね、ぐらいしか言ってないんだろ?」

「私は自分の役割を果たしたまでです。ですが佐伯さんにはもう少し詳しくお話しておけば良かったと考えております」

「いえ、私から聞くべきでした」

「いや、俺の説明不足でしょ……って、終わんないねこれ。まあ、俺からのプレゼントだと思って受け取って。ね、美緒?」

「っ……、は、はい……」

「あれ、名前で呼んじゃダメだった?」

「いえ、そんなことは……。ただ、なんていうか、父以外の男の人に呼び捨てにされたことがなかったので……」

ただ名前を呼ばれただけなのに、やたらと胸が騒いで酸欠気味になる。
疑いが晴れるまでの期間限定とはいえ、私はこんな大企業の社長と、しかもこんなに素敵な人の婚約者になったんだと思うと急に意識してしまって社長の方を向けなくなってしまった。

「どうかした?」

「いえ、な、なんでもないです」

「なんでもなくないでしょ。怒ってる?」

「怒ってないです」

「ふーん……。怒ってないなら……」


なんだか恥ずかしくて社長のことをまともに見られない。
なんとか落ち着こうとうつむき、自分の手を眺めていると大きな手が、私の手をそっと包み込んでーーーー


「ふふ、照れてるんだ。可愛い」

「っ……!」


不意に社長が私の手に触れ、うつむく私の顔を覗きこんできた。
驚いて顔を上げると、目を細めて優しく微笑む社長と目が合ってしまい動悸が激しくなる。
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