【加筆・修正中】恋した君に愛を乞う
「大丈夫です。前回の台風ではあんなに風の音がするとは思ってなかったからびっくりしただけですよ」
「そう?このマンション倒れませんか?って本気で怖がってたからさ」
「だ、だってマンションとか住んだことなかったから……」
あまりにも風が強かったので、少し怖くなって聞いたのがいけなかった。
しばらくはこのネタでからかわれ続けている状況に陥っている。
「わかったよ。じゃあ俺が帰るまで頑張れるね?いい子にしてるんだよ」
「また子供扱いして……!」
「ははっ、違うの?」
「違います!では失礼します」
くすくす笑う暁斗さんに背を向け社長室を後にする。
出てきてすぐに、ちょっと可愛いげがなかったかなあと、反省。後悔するならムキにならなきゃいいのにな自分。
暁斗さんはよく私を子供扱いするのでついついムキになってしまうのだ。
こんな風に子供扱いされて、自分が彼の眼中にないことを気にしだしたのはいつからだろう。
この気持ちが大きくなっても報われる可能性は低いのに。
暁斗さんの優しさは私自身にではなく『婚約者を演じている私』に向けられているものなのに。
それでも彼に心が傾いていく。
そして心のどこかでは私自身を見てくれることを期待して待っているんだ。