車椅子バスケ~希望の架け橋~(翼ver.に変更)
「確かに時に合わせる事も大事だ。
それが社会に出たら必要になるし、人間関係を
円滑に進めるためには大切なことだ。でもな……。
俺達は、神様ではない。
簡単に受け入れないことや
逃げ出したいことだってある」
「ちゃんとそれに対して向き合える人なら
それでいいが……誰もが出来る訳ではない。
逃げ出してもいいんだ。
それで自分が守れるなら悪いことではない。
いつか、本当の意味で
ちゃんと向き合いたいと思えた時に向き合えば」
早川兄ちゃんの言葉は、何だか自分のことを
言っているように重みがあった。
それは、日向兄ちゃんとまた
違った意見だった。
「でも、そうしたら
アイツ……悲しい顔をするから。
俺さ、一度やっちゃったし」
でも俺は、向き合わずに高橋達に
酷いことを言ってしまった。
本当は、あんな事を言いたい訳ではなかったのに。
すると早川兄ちゃんは、ニコッと笑うと
「翼は、優しいな。
その気持ちがあれば今は、難しくても
いつか本当の意味で分かり合える。
だが、無理だけはするなよ?お前の居場所は、
他にもあるのだから」
優しい口調で言ってくれた。