キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
うちのクラスを応援しなくちゃいけなかったのに、何アイツなんかに見とれてるの!!
胸に当てた手から伝わってくる鼓動。
もの凄く……速い。
結果はなんと24対8で会長のクラスの勝ち。
赤井くん達は初戦敗退だ。
お互いに礼をしてから、それぞれコートの外へと出てくる。
会長はコートから出るなり女子達の群れに囲まれてる。
「あーあ、悔しい!手も足も出なかった!五十嵐のヤツ一体何者なんだよ!」
「急に動き変わったよな?何アイツバスケ経験者なの?相当上手かったけど」
帰ってきた赤井くん達が悔しそうに話をしながらコート横の私達のとこにやって来る。
「赤井くん達お疲れ様〜!」
「お疲れ〜。ごめんね野々原さん〜。ちょっと油断したわ」
「何言ってるの!赤井くん達は悪くないよー!五十嵐くんがバケモノなだけ」
野々原さん……バケモノって。
でも、確かに。
前に武術も一通り極めてるって言ってたけど、バスケまで出来るとか。
会長の能力は計り知れない。
むしろ私は、アイツの出来ないことが何か知りたいよ!
なんて思いながら二人のやり取りを見ていると。
「西園寺さんもごめんね。あんなに応援してくれたのに」