キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

ドクッと激しく脈打つのがわかった。


同時に顔が熱を帯びる。


そんな私からゆっくりと顔を離すと、私のタオルを持ったまま会長は人混みの中へと消えていった。


会長が立ち去ったその後も、私の熱は冷めることを知らない。



「な、なんなのよ……意味わかんないっ」




……ねぇ会長。


それって、一体どういう意味……?












「キャッ!」


「おっとー!ごめんなさーい!」



私達、女子バレー班の試合が始まるアナウンスが流れてきて、野々原さんと一緒にコートまで急いでいたら、何かに盛大につまづいて地面へとダイブしてしまった。



「西園寺さんっ!!大丈夫!?」


「だ、大丈夫」


「ごめんねー?わざとじゃないの〜」



っていう言い方がすでにわざとらしいっての!!


地面に倒れている私を見下ろし、両手を合わせてウインクしているのは……城之内先輩だ。


小走りで急いでいた私がつまづくように足を出したのは見え見えで。


本人隠す気もさらさらないようで、むしろ私達を挑発するかのように、引っ掛けた足をブラブラさせてる。


噂に違わぬ性悪っぷり!!!


さしずめ、さっき会長にタオルをスルーされた腹いせだろう。


同じ土俵に上がるのも馬鹿らしいので、無視をして立ち上がろうとすると。



「……っ」



右足首に痛みが走って、思わず青ざめた。
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