キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
嘘だよね……?
まさか、さっきので挫いた?
そんな私の様子に気付いたのか、城之内先輩がニヤッと悪どい笑みを浮かべてくる。
「西園寺さん?どうかした?大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込んでくる野々原さんに悟られないよう、「ううん!大丈夫!」と笑顔を作ると、まだ薄ら笑いを浮かべてる城之内先輩を一睨みしてコートに向かった。
ムカつく!
絶対あんな人に負けたくないっ!!
*
試合開始のホイッスルが鳴り、とうとう私達の一回戦目が始まった。
相手はもちろん城之内先輩のクラスだ。
自分のポジションについて相手方のコートを見れば、城之内先輩がチームの女子達を集め、何やらコソコソと話しをしている。
その間にもチラチラと私に向けられる視線。時折見せる不敵な笑み。
うっっわ。
もう、嫌な予感しかしないんですけど……。
その予感はすぐに的中することとなる。
────バンッ!
「キャッ…」
「西園寺さんっ!!」
城之内先輩のチームの女子が打ったボールが私の顔面目がけて飛んできて、何とかそれを手で防ぐ。
私の手に当たったボールはコロコロとコートの外へ。
城之内先輩のチームのポイントだ。
「みんなごめんっ」