キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

嘘だよね……?


まさか、さっきので挫いた?


そんな私の様子に気付いたのか、城之内先輩がニヤッと悪どい笑みを浮かべてくる。



「西園寺さん?どうかした?大丈夫?」



心配そうに顔を覗き込んでくる野々原さんに悟られないよう、「ううん!大丈夫!」と笑顔を作ると、まだ薄ら笑いを浮かべてる城之内先輩を一睨みしてコートに向かった。



ムカつく!


絶対あんな人に負けたくないっ!!







試合開始のホイッスルが鳴り、とうとう私達の一回戦目が始まった。


相手はもちろん城之内先輩のクラスだ。


自分のポジションについて相手方のコートを見れば、城之内先輩がチームの女子達を集め、何やらコソコソと話しをしている。


その間にもチラチラと私に向けられる視線。時折見せる不敵な笑み。


うっっわ。


もう、嫌な予感しかしないんですけど……。


その予感はすぐに的中することとなる。


────バンッ!


「キャッ…」


「西園寺さんっ!!」



城之内先輩のチームの女子が打ったボールが私の顔面目がけて飛んできて、何とかそれを手で防ぐ。


私の手に当たったボールはコロコロとコートの外へ。


城之内先輩のチームのポイントだ。



「みんなごめんっ」
< 126 / 184 >

この作品をシェア

pagetop