キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「何言ってるの!西園寺さんは悪くないよ!!アイツらさっきからわざと西園寺さんの顔面狙ってる」
ギリリと歯を鳴らしながら池崎さんが城之内先輩達を睨みつける。
池崎さんの言う通りだ。
間違いなく、城之内先輩達は私を集中攻撃してる。
しかも、顔面ばかり狙って。
ある意味凄い命中率だけどさ。
試合前にコソコソ話してたのは、このことだったのか……。
自分のことなのに、どこか他人事のようにそう思うのは、さっきからそれよりも気になることがあるから。
始まる前よりズキズキと痛みが増している右足に視線を落とすと、足首の辺りが靴下の上からでも腫れているのが分かった。
ちょっと……まずいかも。
少し動かしただけでも、傷めた部分から電流のような痛みが走る。
さっきから脂汗が止まらない。
気のせいだと思い込みたかったけど、そうもいかなくなってきたぞ……。
今現在の戦局は、城之内先輩のクラスがリードしている。だけど、まだどうにか追いつけそうな点差だ。
私さえちゃんとボールを受けられれば、後は池崎さんや野々原さん。チームのみんながどうにかしてくれる。
しっかりしなきゃ!
ここまで、せっかくみんなと頑張ってきたんだよ?
城之内先輩なんかに負けたくないよ。
こんな私なんかをみんなは快く受け入れてくれた。