キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
そして、今のこの状況に自分のことのように腹を立ててくれてる。
ただの足でまといなんて嫌だ。
私だって、みんなの力になりたいよ。
次はポイントを入れた相手チームのサーブからだ。
サーブを打つのは城之内先輩。
視線がぶつかって、不敵な笑みを向けられた気がした。
城之内先輩によって放たれたボールは、弧を描き、私の方へと向かってくる。
来るっ!
けれど、大きく軌道が逸れたそのボールは私のいる場所よりも奥。
エンドラインすれすれに落ちそうだ。
このままコート内にボールが落ちれば、確実に城之内先輩のチームの点数になってしまう。
そんなのダメ……!!
そう思ったら、自然と体が動いていた。
足の痛みなんか忘れて、ボールの行く先を追いかける。
急速に落下してくるボール。
地面を蹴って、目一杯腕を伸ばし、そのボールの落下地点へと飛び込んだ。
……絶対にとるっ!!
地面に激しく打ち付けられる体。
落ちてきたボールは伸ばした手の先にあたって、跳ね上がった。
それをすかさず野々原さんが高く打ち上げる。
その打ち上げたボールを池崎さんが華麗なフォームで相手チームのコートに打ち込んだ。
────ダンッ!!