キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
涙目になりながら痛みのある場所に触れてみると、丁寧に包帯が施されていた。
辺りをキョロキョロと見回せば、ここが保健室のベッドの上だということがすぐに分かった。
あれ?
確か私、城之内先輩のボールを取って……池崎さんがすっごくかっこいいスパイクを決めて……。
それから……。
記憶を呼び起こしていたら、シャッ!っという音と共にベッドを仕切るカーテンが勢いよく開いた。
「よかった!西園寺さん!目覚めたみたいだね!」
そこに現れたクラスみんなの姿に、私は驚き目を見張る。
「み、みんな!試合は!?」
「もうとっくに終わったよ〜!西園寺さん、怪我のせいで熱が出ちゃったみたいで、結構眠ってたんだ」
「う…うそ……」
そんな……。
最悪だ。
最後までみんなと頑張りたかったのに。
これじゃ私、練習も本番も本当にただの足でまといでしかなかったじゃん。
「そ、それで結果は……?」
「それが……」
ベッド脇までやってきてパイプ椅子に座った野々原さんが、申し訳なさそうに眉を寄せてみせるから……。
うそ……。負けちゃったの……?
私のせいだ。私がちっともボールを返せなかったから。
私が倒れたりしたから……。
城之内先輩の勝ち誇った顔が浮かんで、みんなへの申し訳なさと悔しさで、ぎゅっと毛布を握った。