キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

だけど……



「なーんちゃって!」


「え?」


「じゃじゃーーん!」なんて言いながら、野々原さんが掲げたのは一枚の紙。


それは、【種目別優勝1-A】と、私のクラスが種目別優勝したことを記した賞状だった。


え!?


優勝!?!?



「西園寺さんが倒れたあの後、バッチリ城之内先輩のクラスに勝ったんだ!その後も、みんな西園寺さんの頑張りを無駄にしたくないって頑張ったの。そしたらね、優勝しちゃった!」



顔の前でピースサインをして、ペロッと舌を出す野々原さん。



「西園寺さんが体を張ってつないでくれたんだもん!何がなんでも優勝しなきゃって思ったんだ!」


「そうそう!」


「ガッカリさせちゃったらやだもんねー」


「みんな……」



そう言って、私に向けられたみんなの笑顔があまりにも優しくて、温かくて……。


そんなみんなに温められた気持ちが、涙となってポロポロと手の甲へ落ちていく。


どうしよう……。


凄く嬉しい……。



「よかった……。私、せっかく仲間に入れてもらったのに……結局何も出来なくて……っ」



「何言ってるの!西園寺さんのために頑張りたいって思ったから優勝できたんだよ!西園寺さんは何も出来てなくなんかないじゃん!」



池崎さんがもの凄い勢いでベッドに手を付き、真剣な顔を寄せてくる。


池崎さん……。
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