キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

正直、このモヤモヤを抱えたまま花火なんて楽しめる気がしないけど、せっかくクラスの子達が誘ってくれたんだもんね。


頭の中グチャグチャだし、寝不足でクラクラするし、とりあえずギリギリまで寝て体力を温存しておこう。



「はぁ……」



ボフッと枕に顔を埋める。


浮かんでくるのは、さっきの会長の言葉。



────“いいんじゃないか?”




「……会長の……ばーか……」




私ばっかり寂しくて、ほんとバカみたい。











────コンコン。


「ん……」



すっかり眠りこけていた私は、扉をノックする音で目を覚ました。



「おい。入るぞ」



え!?!?


会長!?!?



ガバッとベッドから飛び起きると、私の返事を待たずして扉が開く。



「何だ。寝てたのか?」


「ちょっと!返事してないのに入って来ないでよ!!」


「今日花火大会だろ?お前は何時に出るんだ?」



無視かよっ!


ガン無視かよっ!!



……てかさ、何でそんな普通なわけ?


こっちはまともに顔も見れないんですけどっ!?



「……16時に…待ち合わせしてる」


「そうか。それじゃあ、俺の方が早いな。俺は先に出るから。戸締り頼んだぞ」


「わ…わかった……」



あ。そっか……。
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