キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
正直、このモヤモヤを抱えたまま花火なんて楽しめる気がしないけど、せっかくクラスの子達が誘ってくれたんだもんね。
頭の中グチャグチャだし、寝不足でクラクラするし、とりあえずギリギリまで寝て体力を温存しておこう。
「はぁ……」
ボフッと枕に顔を埋める。
浮かんでくるのは、さっきの会長の言葉。
────“いいんじゃないか?”
「……会長の……ばーか……」
私ばっかり寂しくて、ほんとバカみたい。
*
────コンコン。
「ん……」
すっかり眠りこけていた私は、扉をノックする音で目を覚ました。
「おい。入るぞ」
え!?!?
会長!?!?
ガバッとベッドから飛び起きると、私の返事を待たずして扉が開く。
「何だ。寝てたのか?」
「ちょっと!返事してないのに入って来ないでよ!!」
「今日花火大会だろ?お前は何時に出るんだ?」
無視かよっ!
ガン無視かよっ!!
……てかさ、何でそんな普通なわけ?
こっちはまともに顔も見れないんですけどっ!?
「……16時に…待ち合わせしてる」
「そうか。それじゃあ、俺の方が早いな。俺は先に出るから。戸締り頼んだぞ」
「わ…わかった……」
あ。そっか……。