キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「いいのよぉ!こちらこそ、とっても楽しませてもらっちゃったわ。ほら。かずみったらバレー一筋で、ちっとも女の子らしくないじゃない?髪の毛も短いから、可愛くアレンジできないし。こういう色の浴衣も着せられないから、毎年ウズウズしてたの」
「ちょっとお母さん、さり気なく娘を貶しすぎ!」
「あら。悔しかったらちょっとは女の子らしくしなさーい」
「ぐぬぅ……」
2人の掛け合いが面白くてつい笑ってしまったら、「笑ってる場合じゃないよ〜」と池崎さんが拗ねてしまった。
ふふ。
このお母さんに、池崎さんあり。って感じだな。
優しくて、明るくて、元気で。場の空気を和やかにしてくれるとっても素敵な親子だ。
少しホッとした。
私はこんな見た目だから、池崎さんのお家にお邪魔して、池崎さんのお母さんに嫌な思いをさせてしまったらどうしようって不安だったんだ。
娘が学園の問題児と友達だなんて、いい気持ちがする親なんかいないもんね。
だから、池崎さんにも家にお邪魔するのはやめた方がいいんじゃないかって提案したんだけど。
そうしたら池崎さんは────。
『えー!何それ気にしすぎ!大丈夫大丈夫!うちのお母さん、そんなの全然気にしないから!』
って。