キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
野々原さんや赤井くん。クラスのみんなや滝本。
テストの時に私を庇ってくれた先生や。西園寺家の人間だって知ってても平気で私に悪態をついてくる小森もそう。
そして、会長も────。
なんだ私、全然一人なんかじゃないじゃん。
「西園寺さん?どうかした?大丈夫?何だか泣きそうな顔してる……」
心配そうに私の顔を覗き込んでくる池崎さんと池崎さんのお母さん。
「ううん。大丈夫。何だかちょっと、嬉しくなっちゃって」
自分は一人じゃないのだと、私がこうして知ることができたのは、いつだって会長が側にいてくれたから────。
あぁ、どうしよう。
何だか、今無性に会長に会いたいよ。
*
「かずみー!西園寺さーん!こっちこっち!」
「おっまたせー!」
花火が行われる会場にほど近い臨海公園の最寄り駅で、私と池崎さんはクラスの女子達と合流した。
「臨海公園の手前で縁日やってるって!ちょー楽しみ!」
「私、お好み焼き食べたい!」
「かずみは本当、色気より食い気だよね!」
「てか、西園寺さんめちゃくちゃ綺麗なんですけどっ!」
「う、あ、ありがとう。みんなも凄く可愛い」
和やかな雰囲気で縁日に向かう道すがら、そういえばと思い池崎さんを呼び止める。