キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

真っ暗な瞼の裏に、さっき彼女に向けていた会長の優しい笑みが浮かんできて、じわっと目頭が熱くなるのがわかった。




あんな会長見たくなかった。


何で見たくなかったの?


何でこんなにショックを受けてるの?


会長が誰とどこで何をしようと、私には関係のないことじゃない。


関係ない?


本当に?


ううん。


関係なくなんかないよ。


やだよ。


そんな優しい顔で、他の子を見たりしないでよ。



想いがグルグルして気持ち悪い。


頭がグルグルして気持ち悪い。


体が鉛のように重たくて。


寒気がする。



「会長……やだ……よぉ……」





────“鈴っ!!”




遠のく意識の中で、誰かに名前を呼ばれた気がした。


だけど私の意識は、そのまま寒くて真っ黒な世界へと吸い込まれていった。













────ピチャン……。



額に心地良い冷たさを感じで、重たい瞼をゆっくりと持ち上げる。


ぐにゃりと歪んでいる視界。おまけに天井がありえないくらいグルグル回ってる。



うっ……。気持ち悪い……。



額に手を当てると、そこには冷たさの正体があった。


濡れタオル……?


しかも、今までまさに氷水の中にあったかのように冷えている。



「目、覚めたか?」
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