キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「様子を見に帰ってきて正解だった。ベッドの上でガタガタ震えて、しまいには気を失うとか……。どれだけ無理したらそうなるんだ。熱があることくらい気づかなかったのか?少しもおかしいと思わなかったのか?お前の鈍さには呆れてモノも言えない」
「なっ……」
十分言ってますけどっ!!!
「ったく、お前は俺を心労で殺す気か。とにかく寝てろ。今なんか食い物作るから、食って薬飲んで寝ろ」
会長は立ち上がると、私に背を向け部屋を出て行こうとする。
……なによ。
そんなに怒ってさ。
そりゃあ、あんなに楽しそうなデートの邪魔しちゃったもんね。
怒るのも無理ないかもだけどさ。
だけど……。
────ボスッ!
「なっ……!?」
私の投げた枕が、見事会長の後頭部にクリーンヒット。
会長は後頭部に手を当てながら、怒りマークを貼りつけた顔で振り返る。
「どうせ私は厄介者だよっ!!」
「……は?」
「会長は、私なんかいない方がせいせいするもんね!!私さえいなくなれば、彼女も家に呼べるし!?早くいなくなればいいって思ってるんでしょ!?」
「お前……何言ってるんだ?」
会長は、“とにかく落ち着け”と言って私を宥めに戻ってくる。
「どうしたんだお前」
そう言って私に触れようとしたその手を、私は思い切り振り払う。
ヤバイ。
泣きそう……。