キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「……戻りなよ」
「え?」
「早く、彼女のとこに戻りなって言ってんの!一緒に花火、見るんでしょ!?私なんかほっといて、早く彼女のとこに行けばいいじゃんっ!!」
そう言った途端、今まで何とか我慢してたものが溢れ出してしまって。
ポタポタと落ちた涙がベッドのシーツに染みを作る。
私は慌てて毛布にくるまり直し、会長が出て行くのを待った。
が。会長が出て行く気配はない。
それどころか、なぜか黙りこくって考え事でもしているよう。
ちょっと空気読みなさいよ。
そこは出て行くか、何か言うかしてくれないとさ?
めちゃくちゃ気まずいんですけど。
しーんという音が聞こえてきそうなほど静まり返る部屋の中、会長がようやく口を開いたのは数分後。
「考えても考えても、お前が何で泣いてるのかわからん」
「は?」
「というか、お前が言ってることが何一つわからない」
こ、こいつ……。
これだけ間を置いて、出てきた言葉がそれか。
「わからない意味がわからないんだけど。彼女のとこに戻れってのの何がからないの?そのままの意味じゃん!」