キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
「お前、勘違いしてないか?」
「だから見たんだってば!」
「そうじゃなく。祭りで俺が一緒にいたのは、野々原だって言ってるんだ」
え。
野々原さん?
え?
ええぇ!?!?
「か、会長、野々原さんと付き合ってたの!?!?」
「はぁ?だから、何でそうなる。野々原とは生徒会の仕事で、祭りの見回りをしてただけだ」
見回りって……。
「で、でも、何で変装なんて……」
「生徒達に見つかってたかられると、弁解が面倒だからな」
「……」
ということは……。これは完全に……。
「私の……勘違い?」
「だな」
「な、何それぇ……」
心の底から湧き上がる安堵と、バカみたいな勘違いをしていた自分に襲いかかってくる羞恥心で私はベッドに力なく倒れ込む。
顔が熱いのは熱のせいか、恥ずかしいせいか。
もうやだ……。
今すぐ消えてなくなりたい。
会長の方に向き直る勇気もなくて、どうしたものかと思考を巡らせていれば、「……なぁ」と呼ばれ、恐る恐るそちらに顔を向ける。
「お前もしかして、嫌だったのか?」
「へ?」
じっと私を見つめてくる会長。
熱を帯びたその瞳に、射すくめられてしまう。
「俺が、他の女と花火大会に行くのが嫌だったのか?」