キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

もうなんか、色々どうでもよくなってきた……。



「とりあえず、もっといいとこ行こうぜ?」



無理矢理立たされ、肩を抱かれる。


……どうでもいいけどさ。


確かにどうでもいいんだけどさ。


だけど、コイツらにどうこうされるのは、絶っっ対嫌!!



「嫌!!離して!!」


「わっ!コイツ急に暴れ出した!!」



────“鈴が心から楽しくて、笑顔になれる場所を選んでね”


お母さん。


お母さん。


私にも、そういう場所はあるのかな?


見つかるかな?



「おいっ!逃げられる前に車に乗せちまおうぜ!」


「うわっ!コイツ噛みやがった!」



私、諦めたくないよ。


いつかそんな場所が見つかるのなら、辛くても苦しくてもいっぱい我慢するから。



だから……────。




後ろから羽交い締めにされて、引きずられる。


あぁ。もうダメだ。


そう思って、涙が一筋流れ落ちた。


その時だ。




「うわぁぁっ!!!いてててて」



私を羽交い締めにしていた男が突然悲痛な声を上げる。


な……に……?



「ったく。お前は校外でも問題児だな」



近くの街灯に照らし出される横顔。


それは。



「会長っ!?!?」

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