キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
あの鬼生徒会長───五十嵐律樹が、
私を羽交い締めにしていた男の手を捻り上げ毅然とした態度で立っていた。
「なななな、なんでアンタがここに!?」
「説明は後だ。早くこっち来いバカ」
んなっ!!
バカだと!?
「アンタはなんでいっつもそう……」
「うるさい。少しは言うことを聞け」
「わっ!」
会長に腕を引っ張られ、前のめりになる私。
転ぶ!と思った瞬間、受け止められた先は。
なっ………!?
会長の腕の中で……。
「今は黙って守られてろ」
「……っ!」
その言葉と共に、後ろ髪を撫でられた気がして、抵抗しようにも体が固まって動かない。
顔は熱いし、なんでか心臓もうるさい。
何か変な魔法にでもかかったみたい。
……っ何がどうしてこうなってるの!?
「なんだお前!?」
「てめぇ!よくもやってくれたな!!」
今にも殴りかかって来そうな勢いで、にじり寄って来る男達。
会長は「下がってろ」と私を後ろにやって、男達の方へと一歩歩み出た。
ちょっとちょっと……。
守られてるくせになんだけどさ、大丈夫なわけ?