キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
アンタお坊ちゃんだし真面目なんだから、喧嘩なんてしたことないでしょ?
しかも、二対一。完全不利でしょ。
何向かって行ってんのよ。
「何だよ?やる気かぁ!?」
「お望みなら」
やめときなさいよ!このおバカッ!!
さっきの言葉、そっくりそのまま返してやりたい!!
「女の前で恥かいても知らねーぞ!?」
一人の男が会長に掴みかかる。
電話!!そうだ!!警察に電話!!
────ダンッ!!
地面にぶつかる鈍い音がして、会長のやられた姿が頭を過ぎった。
だけど顔を上げれば……目の前の驚くべき光景に、手にしたスマホがポロリと地面へと落ちる。
「うちの親、昔から心配性でな。柔道、空手、テコンドー、合気道。まぁ、一通り習わされたな」
華麗な一本背負いが決まり、地面に沈んだのは会長なんかじゃない。
会長に掴みかかった男が、泡を吹いて倒れてる。
もう一人の男は、その光景に目が点といった様子。
「それでもいいなら、かかってこいよ」
「うわぁぁぁぁ!!!」
会長の鋭い目に射すくめられて、男は倒れた仲間を連れてそそくさと逃げて行った。