キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜

あの後、『じゃあ、ついてこい』って言う会長に平気なふりしてついて行くこと約10分。


ヤツの家に上がったはいいものの、激しい後悔に襲われていた。


生まれてこの方17年。


初めて……初めて男の人の部屋に入ってしまった……。



中学に上がったばかりの頃、滝本のお母さんに言われたことがある。



『お嬢様。いいですか?もし男の人に部屋に誘われてもぜーーったいに上がってはいけませんよ?』


『何で?』


『男の人はどんなに優しく見えても、部屋で女の人と二人きりになるとオオカミに変貌するんです』


『オオカミ?何それ。それって、滝本もそう?』


『ぶっ……!ま…まぁ、複雑ですが、うちの息子も男である以上、信用してはいけません』


『ふーん』



見た目が派手なせいで、よく男の人に慣れてるんじゃないの?とか、遊んでるんじゃないの?みたいに言われるけど、


こう見えて私、今日までシッカリその教えを守ってきたんです。ハイ。


それなのに……。


ど、どうしよう……。


なんだか、すごく悪いことをしてる気分。


あの鬼に限って、オオカミになんかはならないとは思うけど……。


いやでも、あいつも男だし……。
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