キミに拾われ、恋して、知って。〜鬼生徒会長と同居はじめます〜
いやいやいやいや!そんなまさか!有り得ない!
心の中で必死にそう言い聞かせようとしても、バクバクとうるさい心臓はちっとも誤魔化されてはくれなくて……。
ど、どうしよう……。
もの凄く逃げ出したい。
「おい」
「ひぇあぁぁぁっ!!!!」
後ろからポンと肩を叩かれ、思わず飛び上がる。
「何だその驚きようは」と不満気な声を漏らす会長から、ズサササッと部屋の隅まで後ずさり。
「急に触んないでよ!」
「はぁ?何だ急に」
ギャー!
こっち来るな!こっち来るな!
何を考えているのかいまいちつかめない顔でゆっくりと近寄ってくる会長。
逃げ出したいのに、私の後ろには壁。
絶体絶命の大ピンチ!
会長は私の前に来ると、壁に手を付きその壁と自分の間に私を挟んだ。
20cmはある身長差で私をじっと見下ろしてくる。
ち……近い。
まさか……違うよね?
オオカミスイッチが入っちゃったわけじゃないよね?
うう……。
やっぱり、のこのことついてくるんじゃなかった。
……怖い!
とうとうべソをかきそうになって、ギュッと目を瞑る。
すると……。
「もがっ……!?!?」